(v) 文化的景観/イスラム教 の世界遺産
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(v), 文化的景観/イスラム教
端的に言うと文化遺産と自然遺産の境界に位置する遺産と言える。「自然と人間の共同作業」という語に要約される通り自然環境によって制約と影響を受けることで育まれた文化や景観を指すが、大きく以下の3種に大別される。
①意匠された景観:庭園・公園・宗教空間など、人間によって意図的に設計され想像された景観
②有機的に進化する景観:自然環境に対応して形成された景観。さらに「残存する景観」と「継続する景観」に分けられる
③関連する景観:自然がその地の民に大きく影響を与えることにより、宗教的・芸術的・文学的な要素と強く関連した景観
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フランスとスペイン両国にまたがり国境にもなっているピレネー山脈。
そのほぼ中央にそびえる石灰岩の山、ペルデュ山は標高3,352mで石灰岩からなる山としてはヨーロッパ最高峰。スペイン側にはヨーロッパで最も大きく深い2つの渓谷がある。
この一帯では旧来のヨーロッパにおける農業生活様式そのままの農村、牧場、畑、牧草地などの農業景観を今でもみることができる一方で...
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リスボンに隣接する、「エデンの園」と謳われた古都シントラ。
12世紀にイスラーム勢力からアフォンソ1世がリスボンを奪還したことによってこの地もキリスト教の街となった。
周囲の山を含め一帯の城や宮殿が登録対象となっており、建物はとてもユニークなものがみられる。この地の庭園などは欧州の景観設計に大きな影響を与えたとされており、文化的景観として認められた。
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フィリピン・ルソン島北部の山岳地帯に広がっているイフガオ族の作り出した棚田群。
約2000年前から棚田での農法が行われていたと言われており、棚田としては世界最大規模である。
その自然と人間の営みが文化的景観として認められた。
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ウズベキスタン、ホラズムの中心都市の一つで、オアシスの古都ヒヴァ。
17世紀前半ヒヴァ・ハン国の都となったこの街はアラル海に注ぐ河川の下流に位置し、二重の城壁に囲まれており、内城の壁をイチャン・カラ、外城の壁をディシャン・カラという。
宮殿やモスクなどが良好な保存状態で残されている。
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チュニジア、チュニスの南約140kmの地点に位置する旧市街。このスース旧市街は9世紀にアグラブ朝によって形成された。
スースの始まりは紀元前9世紀頃にフェニキア人が築いた古代都市である。カルタゴ、ローマ、ビザンツ、イスラムと支配する勢力が変遷してきた歴史を持つ。
現在はリバトという正方形の要塞や、大モスクなどを見ることができる。
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チュニジア首都チュニスの南方約160kmの地点にある聖都ケルアン(カイルアーン、カイラワーンとも)は「北アフリカのメッカ」とも呼ばれるイスラームの聖地である。
ウマイヤ朝がこの地を征服し、バグダードを模して都市が建設された。現在でも巡礼の季節には各地からイスラーム教徒が訪れている。
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マリ中部、ニジェール川中流域に位置する日干しレンガの建物が立ち並ぶ街。
金の交易地でもあり、マリ帝国時代には西欧で「黄金の都」として知られた。サンガイ帝国時代にはイスラーム化し、サンコーレ・モスクやジンガリベリ・モスクなどのモスクや多くのマドラサが建設され、宗教・学問の中心地として栄えた。
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オーストラリア中部のノーザン・テリトリー南部に位置する。
世界でも屈指の大きさを誇る一枚岩「ウルル(エアーズロック)」と、ドーム型の奇岩群「カタ・ジュタ(オルガ山)」周辺には先住民族アボリジニのアナング族の描いた壁画が残されている。
この土地は法廷闘争の末オーストラリア政府から先住民に返還され、現在では政府が先住民から借り受ける形で国立公園として運...
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スコットランド北西に約180km、北大西洋上に浮かぶイギリス領セント・ギルダ諸島。
火山活動により生まれたこの島々はフルマカモメ・ニシツノメドリといった海鳥の繁殖地になっている。これらの生物の棲息と自然環境によって1986年に自然遺産に登録された。
現在は無人島であるが、この厳しい環境下で人類が生息していた痕跡や巨石遺跡が発見されており、その文化的な面も考...
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モロッコ中南部の中核都市マラケシュ。モロッコという国名はこの都市に由来している。
ベルベル語で「神の国」を意味するこの都市はムラービト朝時代に建設された。
クトゥビーヤ・モスクが象徴的にそびえ、他にもアグノー門やジャマーア・アル・フナー広場など数々の歴史的建造物群が残る。
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アルジェリア中部、サハラ砂漠の谷にある街の建築群。
ムサブにはもともと新石器時代から洞穴に住まう人々がいたと考えられている。
禁欲的なイスラム清教徒でイバード派と呼ばれるムサブ人は、長い流浪の末雨のほとんど降らないこの地に井戸や地下水路を作り、ガルダイアを中心とする五つのオアシス都市を形成した。防護壁に守られた市街には簡素なモスクや家屋が密...
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モロッコ北部、セブ川中流域の内陸都市フェズは、8世紀末にイドリース朝により建設された。
13世紀のマリーン朝時代に発展し、モロッコの宗教、文化、学術の中心となった。
モロッコ最古にして北アフリカ最大のカラウィーン・モスクが有名である。
登録国 |
モロッコ |
登録年 |
1981年 |
分類 |
文化遺産
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登録基準 |
(ii)
, (v)
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イラン、ザグロス山脈の東、エスファハーン(イスファハンとも)に位置する。
紀元前6世紀頃からの歴史をもつイラン有数のオアシス都市として政治・文化・交通の拠点であり、16世紀末にアッバース1世によりサファヴィー朝の首都に定められ発展したこの街は当時「エスファハーンは世界の半分」とまで言われた。
イマームのモスクやアリー・カブー宮殿などで囲ま...
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エジプト・アラブ共和国の首都であり、7世紀にイスラーム勢力によって築かれた都市。
7世紀半ばにアムル・イブン・アルアースが築いたフスタートという軍事拠点が元になっており、10世紀にミスル・アル=カヒーラと名付けられた。この名が「カイロ」の語源である。
旧市街にはイスラーム教学の中心として千年以上の歴史を持つアズハル大学や、イブン・トゥールーンな...
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チュニジアの首都・チュニスの3万㎢にも及ぶ旧市街。
紀元前にはカルタゴの衛星都市であったこの地は、紀元7世紀にはイスラーム都市としてウマイヤ朝のハサン・イブン・アル・ヌウマーンによって新たな都市が築かれた。
ザイトゥーナ・モスク(大モスク)が象徴的にそびえ、文化・商業の中心として栄えた。